きずあととは About Scar
皮膚に傷ができると、必ずきずあとが残ります。小さな傷や、丁寧に縫合された傷であっても、その部位や性状によっては目立ちやすい場合があります。
その傷を見るたびに悲しい気持ちになったり、人目を気にして生活したりしなければならないなどの場合、きずあとの改善を図ることで日々の生活もより明るいものになる可能性があります。
正常な皮膚と比べて、きずあとは以下のような特徴があります。
- 皮膚付属器(毛や汗腺など)が
欠損している。 - 色素の異常(沈着または脱失)を
起こしている。 - 部分的に毛細血管が増えている。
- 盛り上がったり、凹んだり
している。 - 皮膚の“キメ”が無くなったり、
乱れたりしている。
当院を含め世界中の研究機関で、きずあと治療に向けた皮膚の再生に関して研究がなされています。現在の医療技術をもってしても、きずあとを完全に消し去り皮膚を再生することはできません。しかしながら、さまざまな治療方法を組み合わせることで、きずあとを目立たなくしたり、隠しやすくしたりすることは可能です。
TYPE 治療対象となるきずあとの種類
一般的には正常に治癒したきずあとであっても、特に以下のようなものについては、さらなる改善が見込める場合があります。
- リストカット後のきずあと
- 顔面・頭のきずあと
- 手術後のきずあと
- 熱傷・外傷後のきずあと
なお体質や部位によっては、きずあとは異常に隆起、拡大しケロイドや肥厚性瘢痕といった状態になることがあります。これは正常なきずあとというよりは、病的な状態として、保険適用の治療となる場合があります。
きずあとの治療
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Surgery 手術によるきずあと治療
切除術、植皮術・皮弁形成術、削皮術などの、形成外科領域で培われた手術手技を総動員します。きずあとの性状や方向を変えることで、より目立ちにくいきずあとにすることを目的とします。 「外科治療」ページへ
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FractionalLaser フラクショナルレーザー
による
きずあと治療フラクショナルレーザー治療とは、微細なレーザー光を非常に細かく点状に照射することで、身体本来の治癒能力を活かし、皮膚の再構築を促すことできずあとを改善させる治療です。質感や凹凸の改善目的に、継続的なフラクショナルレーザー治療が有効な場合があります。 「フラクショナルレーザー」
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慶應美容医療外来ならではの特徴
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実績
2024年新設の慶應義塾大学病院形成外科美容医療外来にて診察や治療を行います。診察、治療、アフターフォローを含め一貫して当院医師が担当します。
当院形成外科はきずあと(瘢痕・ケロイド)分野での臨床・研究における多数の実績があります。特定の手段にとらわれず、あらゆる選択肢の中から、適切なきずあと治療をご提供することが可能です。 -
設備
高度手術を日々多数行っている当院では、手術室における徹底した安全管理を行っています。適切な手術器材の整備や、厚生労働省承認のレーザー機器の配置など、充実した治療体制を確保しています。
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連携
慶應病院カルテシステムと連携しているため、当院の診察券をお持ちの方はそのままご利用いただけます。必要に応じて当院形成外科における保険診療や、各診療科かかりつけ医と連携し、状態に応じて安全かつ効果的な治療をご提案いたします。