メッセージ Message

痛みの慢性化はADL(日常の生活動作)や QOL(生活の質)を低下させる大きな要因になり得ます。慢性的な痛みは、原因が複雑に絡み合い、様々な手法を試しても改善が感じにくい方もいらっしゃると思います。
当センターでは、脳の活動をモデュレーション(調子を整える)することによって、痛みの治療に取り組みます。脳に対して特定のパターンで刺激を行うことにより、体内の炎症を抑える作用や鎮痛作用が促進されることが報告されています。
科学的な根拠に基づき、脳からアプローチする痛み治療を提供いたします。
Target 対象患者
疾患・症状の例
- 神経障害性疼痛
- 脳卒中後の
中枢性疼痛 - 脊髄損傷後の
中枢性疼痛 - 筋筋膜性疼痛
症候群 - 線維筋痛症
- 片頭痛
- 口腔顔面痛
- 幻肢痛
- 腰痛
- 骨盤痛
- 複合性局所疼痛
症候群 - 帯状疱疹後神経性疼痛
- 糖尿病性神経性疼痛
上記の疾患・症状の痛みが3ヶ月以上持続または繰り返し再発されている方
以下に該当する方は、対象外となります。
- 刺激部位に近接する金属(人工内耳、磁性体クリップ、深部脳刺激・迷走神経刺激などの
刺激装置)、心臓ペースメーカーを有する方。 - 全身状態が不良な者(発熱、栄養障害、重度心疾患、体力低下などがない)。
- アルコール・カフェイン・覚せい剤の乱用・離脱時に該当する方。
- 1年以内に痙攣の既往がある方。
- 認知症や重篤な精神疾患を有する方。
- 透析を実施している方。
- 妊娠中の方。
最終的な実施の可否は医師の診察により判断いたします。
Treatment methods 治療法の紹介
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Transcranial magnetic stimulation 反復経頭蓋磁気刺激
頭上に設置したコイルから磁気刺激を行うことで大脳皮質の神経細胞に刺激を与えることができます。特定のパターンの刺激を反復して行うことで、体内の炎症を抑える作用や鎮痛作用が促進されることが期待されます。
この治療法の有効性は国際的に検証がなされており、欧州の専門家グループから発出されているガイドラインでは、神経障害性疼痛に対する磁気刺激治療のエビデンスレベルはA(明確な有効性)と記されています(Lefaucheur JP, et al., Clin Neurophysiol, 2020)。
刺激は、リクライニングチェアに座っていただき、できるだけ安楽な姿勢で実施します。
※実際の効果には個人差があります。治療時間
治療の所要時間は準備を含めて約30分です。治療のための刺激を実施する時間は13分ほどです。
初回や経過評価の際には、タブレットを用いた質問形式の評価を行います。評価の時間は10-15分ほどです。
Staff スタッフ紹介
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奥山 航平
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道願 正歩
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守屋 耕平